植物工場による甘草栽培について調べていた時、中国以外の産地として「カザフスタン」が紹介されていたので、カザフスタンについても調べてみました。
カザフスタンといえば、砂漠(乾燥地帯)、遊牧民といった情報・イメージしかなく、改めて調べてみると、急成長している国の一つであり、将来行ってみたい国のリストに入れてしまいました。
カザフスタンの基本情報
中央アジアの国、カザフスタン。首都はアスタナ。国土は日本の約7倍(272万5,000km2/日本の国土は約38万km2)、人口は約1,780万人(2016年)。国民の7割がイスラム教という国。
シルクロードの十字路と呼ばれるカザフスタンは、130を超える多民族国家でもあります。よって、イスラム教では禁止されている「豚肉」も市場では販売されており、他の宗教にも寛容な国だといえます。
西カスピ海には油田、東は中国と経済特区を整備
カザフスタンの経済成長を支えているのが、豊富な天然資源。西側のカスピ海沿岸には70を超える油田があります。
国の政策として、欧米の石油メジャーを参入させ、開発を進めてきました。原油資源にて稼いだ外貨は、国内の都市開発や経済支援に活用され、国民も豊かな生活を送っています。
カザフの東側・国境沿いの町「ホルゴス」には貨物基地や中国との経済特区エリアが整備されています。
中国からの物資を欧米へ輸送するため中継基地の役割を果たし、特区エリア内では、中国-カザフスタンへ自由な往来が可能となっています。
ユーラシアの中心都市を目指す首都「アスタナ」
1991年にソ連から独立してから、経済も急成長したカザフスタン。何もない草原から首都のアスタナには、未来都市のような近代的な建物が立ち並んでおります。
アスタナは「ユーラシアの中心都市」になるべく、ドバイやシンガポールのような国際都市を目指して、人工的に都市開発が行われています。
カザフにおける植物工場や環境都市の可能性
医薬品原料メーカーの宏輝(株)では、中国や中央アジアのカザフスタン、タジキスタン、アゼルバイジャン等で、現地の協力企業と一緒に、甘草(カンゾウ)の栽培や採種、さらには加工するための工場を建設し、甘草関連製品の精製を行っています。
同社では、漢方薬の原料だけでなく、B級品は主要成分のグリチルリチン酸を加工・抽出することで、食品や化粧品の原料としても販売しています。
現在の首都アスタナは、未来都市のような建物が立ち並んでいますが、食や環境といったサステナブルな都市づくりは行われていないようです。
シンガポールでは「グリーンシティー」を実現し、UAEのアブダビではエネルギーの地産地消を目指す「マスダールシティー」が整備されています。
今後はカザフスタンでも、植物工場や都市型農業が導入され、エネルギーと食の地産地消といった環境都市(スマートシティ)が増える可能性は大いにある、と感じました。